米国ゴルフマガジン誌が、2年に1度発表するゴルフ場ランキングは世界中のゴルフ関係者が注目しています。
Pine Valley、Cypress Point、St Andrews Old Courseなどのゴルフ通なら一度は名前を聞いたことがある世界の超名門コースが毎年上位を占める一方で、2020-2021年のランキングでは100コース中アメリカのコースが48コースと他国を圧倒していて、日本では兵庫県の廣野ゴルフ倶楽部が39位、56位には川奈ホテルゴルフコース富士コースが入っています。
でもそんな「良いコース」と評価されるコースは一体何が良いんでしょうか?
我々が普段プレーしているコースとは何が違うのでしょうか?
GOLF’s World Top 100 の選考方法
こちらのビデオ(英語)によると、世界で最も権威があるとされているGolf.comが選ぶ世界のトップ100ランキングは15か国から集められた97人の厳選されたパネリストに投票をしてもらい決めると言われています。
余談ですが、パネリストはハンディキャップ5以下のアマチュアゴルファーで、会費を払っていて、旅費や宿泊費も自己負担、その上行動規範も定められており、昼食やお土産を受け取ったことが分かると退会させられてしまうという厳しい基準だそうです…。
しかしながら、普段は回れないような超プライベートコースも査定を目的としてプレーができるので、ゴルフアディクトな応募者が列をなしているそうです。公式サイトで募集しているそうなのでご興味のある方は是非。
決め方は一定の基準をクリアしたコース(489コース)の中から、パネリスト達がそれぞれトップ3に入ると思われるコース、4-10位に入ると思われるコース、11-25位に入ると思われるコース、といった具合にそれぞれのバケットに入れてもらい、バケットごとにポイントを加算してランキングを決定していると述べています。
ではその一定の基準をクリアしたの「一定の基準」が気になるところですね。
ゴルフコース7つの評価基準
それではゴルフコースの評価基準を見ていきましょう。
1. SHOT VALUES
リスクとリウォードが一つのホールの中で展開されるか。いいショットがいいスコアになり、悪いショットが悪いスコアになるというショットの価値を適切に評価できるデザインであるか。
2. RESISTANCE TO SCORING
コースの難易度。どれほど難しいか。
3. DESIGN VARIETY
距離、地形、ハザードの位置、グリーンの形状、アンデュレーション、池や川、草木などがあり、デザイン豊かにコースを造りあげているか。
4. MEMORABILITY
各ホールに個性があり、1番から18番まで一貫した流れがあること。プレイ後、明確に各ホールが印象的であること。単調さを極力避けること。
5. AESTHETICS
景観の美しさ、設計美学。
6. CONDITIONING
ティー、フェアウェイ、グリーンなどのメンテナンス。
7. AMBIENCE
雰囲気、ゴルフの起源や真髄をどれだけインスパイアさせるか。
海外のコースの評価が高く、日本のコースが少ない理由
以前にコース設計家の東さんのイベントでもお話がありましたが、そもそも日本のコースは地形や敷地の制約などからペナルデザインテンプレート(ミスが許容されない狭いホール)が多く単調になりがちであること、ストラテジックデザイン(リスクとリワードが明確なホール)や、ヒーロイックデザイン(スーパープレーを引き出すホール)のテンプレートはやはり広大な土地に作る米国など海外のコースが有利であることが真っ先に挙げられます。
また日本はベントと高麗の2グリーンを使用していたコースが多いためどうしてもグリーンの面積が狭くなってしまいホールの多様性が作りにくいことや、景観やゴルフの起源という点でも少し異質に見えることから、ランキングに入りにくくなっていることが考えられます。
日本にも素晴らしいコースがあります
いくら権威があるといってもアメリカのゴルフメディアが世界中のすべてのゴルフ場を把握することは不可能ですし、候補に入るゴルフ場はトーナメントの開催コースで知名度があるから候補に入っているというのも事実です。
当然トーナメントの実績がないコースで日本にも素晴らしいコースはたくさんあります。
また評価が低いからといって、悪いコースという訳では有りません。
狭いコースが好きという方もいれば、2グリーンの趣が好きという方がいるように、評価と好き嫌いは別物です。
住地倶楽部ではこちらのイベントも開催します。
ぜひご参加ください。
コメント